君を想うとⅢ~True love~





痛む体に鞭打って、ゆっくりゆっくり立ち上がる。


少し動くだけで、折れた肋骨がズキズキと突き刺さる。


でも痛みに必死に耐えて、
何度も苦痛に顔をゆがめながら
私はやっとのことで車椅子にたどり着く。





「先生。約束、守ってよね。」




フン!!
どうだ!!
やる時はやるオンナが伊織さんなんですよーだ!!







心の中でアッカンベーをしながら幸田先生に悪態をつくと




「ククッ、参った。」



眉間に手を当てながら、呆れたように先生は笑う。








「ホントに…イブちゃんとは大違いなんだなぁ…。
顔も背丈も、声までそっくりなくせに。」






そう言って幸田先生はマジマジと私を見つめる。





「当たり前でしょ!?
イブと私は別人なんだから。」





あんな人間天使みたいな女の子と一緒にしないでー!!





俗人、高宮伊織が心の中で雄たけびをあげてると



「うん…。確かに。
イブちゃんはもっと清楚でスナオで女の子らしくて可愛かった。」



ウンウンと深く深く頷きながら、幸田先生はこんなイヤミを口にする。