ベッドから立ち上がろうと腕に力を入れると


「いったぁ…っ!!」


それだけで胸に激痛が走る。





そんな私を見て幸田先生はクスクス笑う。





くそぅ。
あの人絶対、私のこと馬鹿にしてるでしょ。




視界の横に入る、幸田先生の呆れ顔。
看護婦ルミちゃんの心配そうな表情。



ほんとなら…ね??
私だって寝てたいですよ。


痛いのなんてイヤだし
頑張るなんてめんどくさい。




でも…
しょうがないよね。



私は桐谷慎の待つ、あの場所に絶対に行かなきゃならない。






“行く”と決めたのは自分自身。
諦めないと決めたのは自分自身。




それなら!!
痛みなんかに…負けてたまるか!!