「そっか。きっとキミのそういう所がシンは安心するんだな。」
「へ??」
「同じ顔した天使と戦士。
いいね、高宮さんのそういうタフなところ、好きだなぁ。」
は??
天使と戦士!!?
何言ってんのよ、この人!!
笑顔ですっごいイイコト言ってる風だけど…
サラッと酷いこと言ってるように感じるのは、私だけですかー!?
そんな私の葛藤と怒りをよそに
「さて。じゃぁ行こうか、高宮さん。」
幸田先生は悪魔でマイペースに物事を進めていく。
「とりあえずアリストコートに一緒に行こう。シンへの電話は車の中でかければいい。
外泊許可は…俺が出す。
後の処理は…頼んだよ、ルミちゃん。」
「ふふっ。了解です。」
「じゃ。相当痛むと思うけど、ゆっくり起き上がって、車椅子に乗ってくれる??」
試すように
挑発的に
でも自信たっぷりに見つめる
幸田先生の瞳。
懐かしい。
昔、桐谷慎もこういう目をして私を試した。
体中を駆け巡る高揚感
大嫌いで天敵だった、桐谷慎
ドSで人でなしの、鬼上司。
そのたびに…
私はこうして、アイツと戦ってきた気がする。



