心の中に引っかかっていたモヤモヤがあっという間に晴れていく。



なんだか心地いい開放感に浸っていると



「……で??
高宮さんは何でシンのところに行きたいの??」



幸田先生はふんわりと微笑みながら、私の顔を覗き込む。



「あ…実は……。」





少し長くなるけれど…と前置きをして、私はコレまであったことをゆっくりと話し始めた。





桐谷慎に必ず行くからと約束をした日が今日であること。


しかも時間を12時までと制限されていること。


彼の家へと向かう途中で“しんちゃん”と出会い、事故に巻き込まれてしまったこと。


彼の性格上…今日を逃したら絶対に私を受け入れてもらえない確信があること。







その全てを話し終えたとき…
先生はウーンと深く深く考え込んで。




「よし、決めた!!」



と小さくつぶやくと足早に病室の扉を開けて、こう叫んだ。





「ゴメン、ルミちゃん!!車椅子持ってきて!!」