なんだか仙人のような表情を浮かべてウンウンと頷く、一ノ瀬。
――うー!!くそっ!!
俺は昔からコイツのこういうところが大っ嫌いだ!!
ケツの青い小娘のクセに変なところで大人びてて。
何でもお見通しです、って態度が気に入らない。
こっちはなぁ!!
お前より1つ年上の27歳なんだぞ!?
俺の方がお前よりオトナなんだぞ!?
バーカ、バーカ、バーーカ!!
とか、いっつも心の中でつぶやいて悪態をついている、オトナなオトコの、この俺。
だけど・・・。
今日ばかりは、いつもの気弱な俺じゃねーぞ!?
こっちは伊織にこっぴどくフラれて、気が立ってんだ!!
今日こそは負けねぇ!!
今日こそコイツを叩きのめしてやる!!
そんな俺のささやかな意気込みは……
「伊織にフラれてどんだけ落ち込んでんだろーって思ってたけど……、案外元気そうじゃない。」
26歳のケツの青い仙人・一ノ瀬理央の一言で完膚なきまでに叩きのめされる。



