そして……
しばらくデッキで流れていく雲を見ながらボーっとして。
席に戻ってさぁ寝ようと準備をしてると。
「お隣、いいですか??」
誰かに声をかけられた。
俺が座っている席は指定席だし、隣に誰かが座っても不思議じゃない。
「あぁ…、どうぞ??」
顔を上げて……
俺は息が止まるかと思うくらいに驚いた。
「い、い、い、い、一ノ瀬ーーーーーーっ!!??」
目の前にいたのは超肉食女子の俺の後輩、一ノ瀬理央。
なんだか涼しげな格好をして、でっかいスーツケースを持っている。
「な…な…、なんでここ、…えっ!!??
どういう!!??」
アタマの中はパニックパニック。
さっきまでの感傷はどこへやら。
目の前にいるこの物体と
巻き込まれた事件をうまくアタマの中で処理できず。
どもりながら挙動不審にワタワタしていると
「ふふっ。わかんない??
センパイに会いたくてここまで来たのよ。」
大胆不敵にそう微笑んで。
一ノ瀬は俺の隣にどっかりと腰掛けた。



