君を想うとⅢ~True love~




そして……
しばらくデッキで流れていく雲を見ながらボーっとして。
席に戻ってさぁ寝ようと準備をしてると。




「お隣、いいですか??」



誰かに声をかけられた。




俺が座っている席は指定席だし、隣に誰かが座っても不思議じゃない。




「あぁ…、どうぞ??」



顔を上げて……
俺は息が止まるかと思うくらいに驚いた。







「い、い、い、い、一ノ瀬ーーーーーーっ!!??」






目の前にいたのは超肉食女子の俺の後輩、一ノ瀬理央。
なんだか涼しげな格好をして、でっかいスーツケースを持っている。





「な…な…、なんでここ、…えっ!!??
どういう!!??」




アタマの中はパニックパニック。
さっきまでの感傷はどこへやら。


目の前にいるこの物体と
巻き込まれた事件をうまくアタマの中で処理できず。





どもりながら挙動不審にワタワタしていると


「ふふっ。わかんない??
センパイに会いたくてここまで来たのよ。」


大胆不敵にそう微笑んで。
一ノ瀬は俺の隣にどっかりと腰掛けた。