君を想うとⅢ~True love~




しんちゃんに繋がれた手は、柔らかで、あったかくて、小さくて…。

私の中に隠れた母性本能ってヤツをキュンキュン刺激してくれる。





――ふふっ。同じ“シン”なのに大違い。




どこまでも俺様で、スナオじゃなくて、淋しがりやな桐谷慎を思い出してププッと笑う。




「おねぇちゃん、どうしたの??」



突然脈絡もなく話し始めた私をじっと見て、しんちゃんは不思議そうに私の顔を覗き込む。




「ううん。なんでもないの。」

「ほんとに??」

「うん。しんちゃんと同じお名前のオジサンを知ってるんだけどね??
そのオジサンを思い出して、笑っちゃったの。」




ふふっ。



オジサン…か。
桐谷慎をオジサン呼ばわりなんてしたの初めてだけど…
しんちゃんから見れば、29歳の男の人なんて十分オジサンだよね。