「しゅーちゃん。」
「…ん??」
「わたしね??この1ヶ月死ぬほど悩んだ。
苦しいくらいに悩んで、悩んで、考え抜いた。
私は桐谷慎と、しゅーちゃん、どっちが好きなんだろう……って。」
しゅーちゃんは私のつき返した指輪を受け取ることもなく。
胸に指輪を突きつけられたまま、表情なく私を見下ろす。
「しゅーちゃんの優しさも好き。
桐谷慎の強引さも好き。
しゅーちゃん、ほんというとね?私はどっちも選びたくなかったんだよ。」
「……。」
「私はね?
しゅーちゃんの優しさに甘えながら、桐谷慎との恋に夢中になるのが楽しかったの。」
そう言った、瞬間。
しゅーちゃんは“信じられない”という表情をして、私の顔を凝視する。



