テレビもつけず、明かりもつけず、カーテンさえ開(ひら)かずに、どれくらいこうしていただろう。




フッと視線を上げると、時計は13時を指していた。









約束の時間まで、あと2時間。









私はハァと深くため息をつくと、マグカップを持ちながら重い腰をヨイショと上げた。






ロシアンティを飲み終わったマグカップをゆすぎながら


「頑張れ、私。」


と、小さく呟いてみる。









こんなことしたって、何の解決にもならないのはわかっているけど、それでも行き場のない気持ちを整理するには十分な一言だ。







「負けるな、私。」








無意識に自分を守ることは、もう辞めるんだ。


他人にどう思われても、どう誤解されても、構わない。




私は“私らしく”しか生きられない。






それなら…
人に何て言われようと、自分の選択に自信と責任を持てる私でいたい。


ううん。



そういう生き方しか…きっと私はできないんだ。