君を想うとⅢ~True love~

 

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布団を抱えながら泣いて、どれくらいたっただろう。
カーテンから差し込む光が、柔らかで淡い光から鋭く強い光に変わっている。




時計は、10時30分。




運命の時間の約6時間前だ。




泣いて少し腫れぼったくなったまぶたに、重いカラダ。
起き上がりたくない衝動にかられる弱虫なカラダに鞭を打って、エイッと無理やり起きあがる。




行きたくない
伝えたくない
逃げ出したい




でも…そんな弱虫な自分に勝たなきゃ、アイツは私を認めてくれない。








――桐谷慎が欲しい。







彼の未来の全部が欲しい。
心も体も何もかも。








過去の自分と…
サヨナラするんだ。



しゅーちゃんの想い出も、ぬくもりも、記憶も
全部全部、捨ててしまおう。
全部あの場所に置いていこう。







桐谷慎が欲しいから…
私は今からしゅーちゃんを捨てに行く。







桐谷慎の…為だけに。