アレを体験した時。
振られるより、振るほうがもっとツライって言葉は本当だったんだ…って実感した。




あんな苦しい思いはもう沢山!!
もう二度と経験したくないと思っていたのに……


私は今から、あの時と同じコトをするために
カレに会いにいくんだ。








『伊織!!』







みんなのお日様で、
優しくて、
いつだって素敵で、
大好きなしゅーちゃん。










私は…カレにさよならを告げなきゃいけない。





アタマではわかってる。





あの時と同じように
ひどい言葉と
ひどい態度で
しゅーちゃんを傷つけて
私のことなんて嫌いになっちゃうくらいに
ひどい女を演じなきゃいけないって。




でも…
ても……!!!!









「無理…!!無理だよ……!!」








そんなこと…
絶対にできそうにない。






考えただけで涙があふれる。
苦しくて、苦しくて、
息ができないくらいに苦しくて
胸が張り裂けてしまいそう。







その心の苦しさに耐え切れなくなった私は、
体育座りのまま、羽根布団をギュッと両手で握り締めた。