なんなんだ!!
この人はなんなんだ!!
人にカッコよく
『俺から高宮を奪いたいなら、俺よりもっとイイ男になってみろ。
自分のズルさを誤魔化すな。』
とか言ってたクセに……
このメールで送られてくる文面はただのコギャル。
幼稚でワガママなただのオッサン。
くそ……
俺はこんな幼稚なオッサンに伊織を奪われようとしてんのか…???
恨むぜ、神様~っ!!!
メールを見た瞬間に身体中の力が抜ける。
俺はガックリと肩を落としながら
『いいっすね、部長は。
自由で、仕事もできて、ルックスまで抜群で、女にもモテモテで。
怖いモンなんて何にもない。欲しいモンは何でも手に入る人生ですもんね~。』
ここぞとばかりにイヤミた~っぷりのメールを送る。
フンッ。
コレでちょっとはイヤ~な気持ちになればいいんだっ!!
ガキ臭いのは100も承知。
でも俺だって、部長に伊織を奪われた時は本っ当~に苦しかったんだ。
部長の側で幸せそうに笑う伊織と
アイツの側で見たことないくらい甘ったるい顔して笑う、部長。
ずっと言えなかった。
でも、本当は苦しかった。
胸がかきむしられて、
締め付けられて、
痛くて痛くて……。
本当は苦しくて堪らなかった。



