君を想うとⅢ~True love~





なんなんだ!!
この人はなんなんだ!!






人にカッコよく



『俺から高宮を奪いたいなら、俺よりもっとイイ男になってみろ。
自分のズルさを誤魔化すな。』



とか言ってたクセに……








このメールで送られてくる文面はただのコギャル。


幼稚でワガママなただのオッサン。










くそ……

俺はこんな幼稚なオッサンに伊織を奪われようとしてんのか…???


恨むぜ、神様~っ!!!






メールを見た瞬間に身体中の力が抜ける。








俺はガックリと肩を落としながら



『いいっすね、部長は。
自由で、仕事もできて、ルックスまで抜群で、女にもモテモテで。
怖いモンなんて何にもない。欲しいモンは何でも手に入る人生ですもんね~。』




ここぞとばかりにイヤミた~っぷりのメールを送る。







フンッ。
コレでちょっとはイヤ~な気持ちになればいいんだっ!!








ガキ臭いのは100も承知。

でも俺だって、部長に伊織を奪われた時は本っ当~に苦しかったんだ。






部長の側で幸せそうに笑う伊織と

アイツの側で見たことないくらい甘ったるい顔して笑う、部長。





ずっと言えなかった。



でも、本当は苦しかった。



胸がかきむしられて、
締め付けられて、
痛くて痛くて……。



本当は苦しくて堪らなかった。