だから……
俺はこの大恋愛に決着をつける。
もしも奇跡がおこって伊織が俺を選んでくれたとしたら。
俺は……
伊織のもう1つの顔にちゃんと目を向けてみようと思う。
俺の知らない、知ろうとしなかった本当のアイツを好きになりたい。
願わくば
高宮伊織という女の全部を包みこんで、守って、理解して、認めて、信じてやれる……
そんなデカイ男になれるように、アイツと一歩ずつ歩んでいきたい。
でも…もしダメだったなら。
伊織とは違う、他の誰かと。
そう思いやって生きていけるように……努力していける自分でありたい。
俺は…いろんなヤツを傷つけた。
祐吾に
亜美に
伊織。
それに…
一ノ瀬。
俺は自分の心に正直でありたいと、いつもいつも願ってた。
自分の意思をねじ曲げて、他人のルールの中で生きていくなんてまっぴらゴメン。
俺は自分の思うままに生きて、自分の意思を貫き通して生きていく!!
そう思って、27年間生きてきた。
でも……
それは大きな間違いだった。



