「じゃ…、じゃあ…!!!!」


「アイデアは合格だ。
通常タイプのモノと島こずえタイプのモノ、2つ売り出してみるのも面白いしな。
…というワケで、頑張って企画書詰めろよ?高宮。」







そう言って。
桐谷慎はニッコリ笑うと後ろ手でバイバイしながら魔神城とウワサの部長デスクに向かってツカツカと歩いていく。






「…ありがとうございます、頑張ります!!」



「うん。りょーかーい♪」









私は桐谷慎の悪魔な背中にペコッとお辞儀をすると企画書を持ってトコトコとデスクに戻る。








――よかった……。









コレで島さんだけじゃなく、競泳に関わってる女の子達みんなが喜んでくれるにちがいない。



そんな仕事に関われるかと思うと、ワクワクしてウキウキしてゾクゾクする。






久しぶりに訪れたやりがいのある仕事。








なんとも言えない充実感が体の中に渦巻いて『やるぞー!!』って熱い炎が燃えたぎっていると





「よかったな、伊織。」









遅れて広報部に戻って来たしゅーちゃんが私の背中をポンッと叩く。








「うん!!私…頑張るよ!!」







ムンッと両腕でちからコブを作ると









「アハハ!!その意気、その意気!!」






しゅーちゃんは私の頭をポンッと叩いて柔らかに笑った。