桐谷慎と最後の鎧を脱ぎ捨てて抱き合った、あの日。


結局私たちは、あの狭い資料室で一夜を過ごすことになってしまった。




なんでかって??





どうやら今回の停電は配電工事の職員の皆様の凡ミスによって引き起こされた、間抜けな事件で…。



なんでだかはわかんないよ?

なんでだかはわかんないんだけど…
作業員の一人が配線工事をしてる最中に、誤って主電源のケーブルをバチンと切っちゃったみたいなんだよね(涙)



そんなこんなで復旧には時間がかかり。
私と桐谷慎が地下の資料室から解放されたのは朝の6時過ぎになってしまったのだった。





正直ことのあらましを聞いた時には、腹がたつやら情けないやらでガックリ力が抜けたけど。






そのドジな作業員の人がくれた事件がきっかけで、私は桐谷慎と自分と向き合うコトができた。



だから…
その人にはちょっぴり感謝…なのかもしれないな、とは思う。