「…わた…、私も……っ……。」




桐谷慎が欲しい。
でもはしたない自分は見せたくない。




この期に及んで、そんなズルい葛藤を続けていると桐谷慎はフッと私の手を放して。


私に顔を近づけて…私の唇に触れるだけのキスをした。






――桐谷…慎……。






その余韻に浸りながら彼をポゥっとした瞳で見つめていると



「俺はお前とSEXしたい。
お前をめちゃくちゃに追い込んで、ボロボロになるまで抱き合いたいよ。」




どSな悪魔は天使のように微笑みながらこんな恐ろしいコトを言いはじめる。






「昔、言ったろ?“男と女が繋がるコトに理由はいらない”って。
付け加えるなら…SEXにセオリーはない…よ。」


「……はあっ!!??」




またまた飛び出した桐谷語録に驚いていると




「だってそうでしょ?
英語みたいに主語、動詞…って順番があるわけでもなければ、この順番でこうしなさいってマニュアルがあるわけでもないんだから。」




どエロ魔神は悪びれもせずにそう答える。




「SEXは2人だけのコトだから2人が抱き合いたいように抱きあえばいい。
他人から見てどんなにアブノーマルでも変態でもそれは2人の勝手でしょ??」