それは…彼に私が一度もしてあげたことのない、愛の行為。





あえて言うならそれは桐谷慎だけじゃない。

その行為は…実はしゅーちゃんとも、他の今まで付き合った男の人とも一度もしたことのない、未知の行為。




今までにも『やって』と誘われたコトはあるけれど…。
怖くて、恥ずかしくて、やるせなくて、どうしてもやることができなかった。





『はぁぁぁ~、なんでコレが出来ないかねぇ…。』


『だ、だって生々しいじゃない~。
無理!!それだけは無理っ!!』


『ひ、ひどい…高宮!!
俺にはあんなに舐めさせるくせに…っ!!』


『う、うぎゃぁぁぁ!!!!!
やめて!!!!恥ずかしいからやめてぇ~(涙)』






…コホン。



そんなワケで私はアレだけは絶対に拒否を決め込んでコトを致していたワケだけど…。




多分。
ううん、桐谷慎はソレをヤれって言っているんだと思う。



他の誰にもすることができなかったその行為を今ここでヤれと言っている。





“俺が誰より大切で、俺を何がなんでも繋ぎ止めたいなら、できるハズでしょ??”






言葉じゃなくカラダで示せと彼は言った。





きっと…
桐谷慎は私を試してる。