しゅーちゃんとの恋が爽やかで清々しいオレンジみたいな恋だとしたら。
桐谷慎との恋は…まるで強い麻薬のよう。
一度ハマッたら最後、階段を転げ落ちるようにあなたに堕ちていくだけ。
その甘い罠から抜け出せなくて、知れば知るほど彼がもっと欲しくなる。
こんなに貪欲な自分がいたのかと思うくらいに、心もカラダも桐谷慎の全部が欲しくなる。
そして…
『もっと俺を求めて』
と言う彼が愛しくてたまらなくなる。
きっと桐谷慎はどんな私でも受け止めてくれるに違いない。
彼は私の汚くてズルい所も、全部全部好きだと言ってくれた。
イブみたいにキレイなだけじゃない、欲にまみれてズルくて汚い私を“好きだよ、高宮”と言って抱きしめてくれた。
そんな彼の大きな愛を知るたびに…、私は桐谷慎という一人の男にどんどん惹かれていったんだ。
『もっともっと欲情してよ。』
そんな風にしか言えない彼の不器用な愛がいとおしい。
ねぇ…桐谷慎。
私、やっと思い出したよ。
私は何を悩んでいたんだろうね。
悩む必要なんて…何一つなかったのに。



