――浅ましい。


今の私はなんて浅ましいんだろう。




しゅーちゃんを一途に好きだったあの頃の私。

しゅーちゃんと桐谷慎、2人を好きになって…、でも正しい答えを導きだそうと葛藤していたあの頃の私。





ひたむきで、
がむしゃらで、
でも一生懸命に誰かを好きだった私はどこに行っちゃったんだろう。








「じゃあ…、私が欲しいって言ったら桐谷慎は全部をくれる??
無我夢中でアンタを求めたら…それにアンタは答えてくれるの??」








暗闇の中の影に向かって、私はそっと問いかける。





すると持っていたタバコの火をギュッと携帯灰皿で消しながら



「それは高宮次第だね。」



と桐谷慎はフッと笑う。






「俺はお前と同じ量の気持ちしか返すつもりはないからね?
寂しいだけなら、繋ぎ止めたいだけなら、いくらでも相手はしてやるよ。

でも…
本気で俺を求めてないヤツに…俺の心まであげるつもりは毛頭ないよ??」