――え……??



あまりに冷たい桐谷慎の一言に絶句する。
ただボーゼンと、彼のいる方向を見つめていると



「悪いけどね。
俺は一人で立ち上がれないオンナには興味ないね。」



桐谷慎はキッパリとした声でそう言いきる。







「高宮。
俺が欲しいのなら一人で立ち上がってここまで来てみろ。俺が欲しいのなら力づくで俺のコトを振り向かせてみろよ。」



「…え……??」



「ただ待っているだけなのか?答えが出るのを待ってるだけならお前はこの先、何度も同じコトを繰り返す。」




――え…??


桐谷慎の言っていることが。
桐谷慎の言おうとしているコトがわからなくて。


下を向いてキュッとスカートの裾を握りしめていると






「高宮。
お前に足りないのは愛でも状況を読む力なんかでもない。
お前に足りないのは…“覚悟”だよ。」