“人の気持ちに永遠なんてない”
そのことに気づいた私は…
久しぶりに繋がれた、桐谷慎の手のひらの温もりに涙が出た。
――バカだ。
今ごろ気づくなんて遅すぎる…!!
この手は当たり前に与えられた手なんかじゃなかった。
運命のような出会いと
神様のイタズラと、偶然が重なりあって、繋がるコトが許された特別な手だったんだ。
こんなに広い世界の中でたった一人しか繋がれることのない、奇跡のような特別な手。
それが…
あなたの手だったんだ……。
どこまでもバカで
浅はかな私は、そんな単純で当たり前のコトにすら気づくコトができなくて…。
その手を失って、やっと初めて気がついた。
私のひどい思い上がりが彼をどんなに傷つけ、不安にさせて、不快な思いをさせていたのかを。
私にとって。
桐谷慎が…どんなに特別だったのかを。



