私は…甘えてた。
彼のくれる愛に、完全に甘えてたんだ。





――バカだ。





愛されるのが当たり前で
守られるのが当たり前で

彼が笑いかけてくれるのは当然だと思ってた。






――イヤな女……。





傲慢にもほどがある。






私はずっと自分をズルい女の子だと思ってた。


結局の所は、しゅーちゃんも桐谷慎もどっちも好きでどっちも選べない、最低なズルい女の子なんだと。






だけど…違った。






私はズルい女の子なんかじゃない。





私は…
しゅーちゃんも桐谷慎もどちらの手も放す気のない、傲慢な女だったんだ。




愛されることに
与えられることに慣れすぎてて、愛することをおろそかにしていたんだ。





守られたい
大事にされたい
愛されたい



そればかりを考えて
そればかりを望んで。





私はきっと桐谷慎を知らず知らずに傷つけた。
この優しい手をもつあなたをきっときっと傷つけた。





最低……
自分のバカさ加減に吐き気を覚える。