「うわー佐久間と小林君イチャついてるー」
甲高い女の声が後方からした。
「その表現やめてよ、きもい」
「はいはいわかってるよ。…でも、ぶっちゃけあたし小林君けっこう本気で好きなんだぁ」
(…!?)

声とその明るい話し方から察するに声の主は同じクラスの月島と神林。

「へー以外。あんたは佐久間派かと思ってたわ。あたしも顔は好きだけどねぇ」

「最近ウチの女子絶対どっちか好きだよねー。佐久間はみんなに優しくてモテ男君って感じだけど、小林君はイケメンの自覚ない感じがいいじゃん」

「えー?まぁそうだけど、アイツ女男両方にキツイじゃん。女の扱いがなってないのよね」
「だからそこがかわいいんだってば」


女の話なんてものは、意外と男に筒抜けだったりするもんだ。

(えええ…マジかよ俺モテんの!?そうなのか!?)