「ごめん、遅くなった!!」
人を掻き分けて、チェコちゃんが走り寄ってきた。
手にはメガホンを持っている。
「ありがとう!!」
あたしとみちはメガホンを受けとった。
チェコちゃんがにかっと元気に笑った。
「応援、おっきい声で頼むね!!」
大太鼓の音が鳴り響く中、チェコちゃんの少し高い声が耳に入った。
返事の代わりにあたしたちは大きく頷いた。
ベンチから選手たちが一斉に飛び出した。
歓声がさらに大きくなる。
あたしも力の限り、メガホンをたたき声を張り上げた。
みちは飛びはねながら、叫んでいた。
ばらばらとそれぞれの位置に走っていく選手の中に、
瀬田くんの後ろ姿を見つけた。
背番号9を背負いながら、ライトへと走っていく。
その姿はやっぱりあたしからは遠く見えた。
