あたしの知らない世界に瀬田くんはいる。
今まではその世界に入りたくって、少しでも近づきたくて一生懸命だった。
けれど今は違う。
あの時感じた違うという気持ちは、きっとあさひくんを想っているからだ。
あさひくんと同じ様に瀬田くんを想うことは───出来ない。
いつの間にかあたしの中にあさひくんはすごく大きな存在になっていたんだ。
無意識にあさひくんと誰かを比べてる。
そうして比べては、あさひくんを想う。
あぁやっぱりあさひくんが一番だって確認するかのように。
そうしてしまうのは、あさひくんが好きだからなんだ。
だからもしホームランを打っても、あたしは──────
「きゃああああああ!!」
甲高い叫び声がしたかと思うと、スタンドにいた人たちが一斉に立ち上がった。
どんどんどんどん、と大太鼓の音が鳴り響く。
