「ほんと、ありがとうな。まじ嬉しい」

きらきらした笑顔がさらにきらきらしている。
あたしまでうれしくなってきた。

「よかった。あ、瀬田くんの話は??」

「あ、俺??あ、あぁ。あのさ、」
また照れくさそうにしている。
その姿が誰かと重なる。

さっきからどうして、ちらつくんだろう。
ぎゅっと苦しくなる。


「試合に来て欲しいんだ。」

真っ直ぐに瀬田くんがあたしをみた。
少し、ドキっとする。

「俺、背番号貰えたんだ。試合にも出る。だから高原に、なんて言うか・・・見てて欲しいんだ。俺、頑張るから。」

瀬田くんの表情が真剣だ。
あたしをしっかりと見据えてる。
あたしを、見てくれてる。

そして瀬田くんの存在をとても近くに感じた。
鼓動が聞こえてきそうで、すこし緊張した。


「うん。試合、行くね」

「ほんと??よかった。」

またきらきらした笑顔になった。
「あ、もう部活行かないとやべぇかも」

「あ、そうだね!!ごめんね。呼び止めちゃって」

「いや。ちゃんと話せてよかった」

すっと目を細めて瀬田くんが笑う。
こんな優しそうな笑顔初めてみた。

「じゃあ、待ってるから」

「うん。部活、頑張ってね」

「おう!!」


瀬田くんが手を振りながら走っていった。
瀬田くんの大きな背中が見えなくなるまで、あたしは手を振り続けた。