今更ながら気づいた。

どうして僕を見つけたんだろう…。

あの路地はほとんど誰も通らないし、偶然みかけれるほど目立った場所でもない。

それどころか僕がいたのは奥のほうで声ですら大通りには出ていないのではないかと思う。

「…ね、ねぇ、なんで助けたの?」

「助けたかったから。」

ソファーが珍しいのかずっとソファーの上で寝転がったり跳び跳ねたりしている。

僕は不思議でならなかった。

わざわざダサい格好をしてるのにいきなり「かっこいいよね。」とかって言うのか。

見ず知らずの人の家に、しかも男性の家に、泊まろうと思ったのか。

この子は一体何者なのか…。