「おい、葛城。」

僕は毎日が憂鬱でしかたがなかった。

そして、何かを怖がるように常に腰を曲げている。

「は、はい!?」

「あのレポート、内容はよかったけどまとまってないから書き直しておけよ。」

「…はい。」

話しかけられたのが先生でよかったけど、これがやつなら今頃僕はどうなっていただろう…。


僕は常にダサい服を着て大きくて時代遅れの眼鏡をかけている。

それは僕自身、恋愛をしないためである。

高2の時、初めて恋をして、彼女は僕をからかった。

僕はへたれで弱虫だったためだと考えられる。

見た目だけはしっかりしてるからむかつくと言われたからそれいらいこれ。

もう慣れたからいいけど、慣れる前は嫌で嫌でしかたがなかった…。

きっとこんな僕に振り向く人など詐欺を働く人ぐらいだろう。

そして僕もまた、こんな自分が嫌いだったから好きになられると困る。

きっと僕はつまらない人生の中で、1人空気のように消えていくだろうと思った。