「お待たせ。はい」

 部屋の暖かさに、いつしかうとうとしてたオレの顔の前に置かれたのは《しじみの味噌汁》のインスタントカップ。

「……しじみ?」

 訝しげに言うと「二日酔いに効くんだって」と、それにポットのお湯を注ぎはじめる。

「はい、どうぞ」

 トン、と置かれ再びオレの前に座ると

「食べながらでいいから少し聞いてくれる?」

 と、話を切り出す。

 立ち上ぼる湯気の向こうに、いつになく真剣な顔の唯。

 オレの返事を待つ事なく、唯はゆっくりと話し始めた――。