念願やった彼女の声をやっと聞けたっちゅー感動は見事に打ち砕かれた。

 多分、騒いでる女共に見られん様にと、咄嗟に考えたんやろう。けど……

 オレの場所からは、しっかり見えてる事も知らずに

 和紗とゆきなちゃんは

 ……キスを、した。

「………………」

 一瞬、全身から血の気が一気に下がったような気がした。







 ――……見たくない!!

 オレは2人とは逆の方へと走り出した――――。