「おねえちゃん!!」



ガバッと布団を剥ぎ体を起こした美羽。



落ち着くと、夢を見ていたのだと気付く。




これで何度目だろう・・・?


こんな夢を見なくたって、忘れることなんて出来ないのに・・・



姉が死んでから、たまに見てしまう夢。



ため息を吐くと、身体が汗でびしょ濡れになっていることに気付き、シャワーを浴びに行った。




美羽は今18歳。


親戚の家を出て一人暮らしをしている。


お金は親戚に出してもらっているが、もう3年ほど顔を合わせていない。




実は、美鶴を亡くした直後から優しかった親戚の態度が一変したのだ。



もともと美しい美鶴を可愛がっていた親戚は、美鶴がいなくなってから美羽を見ることもなくなったのだ。



それでも最初は美羽も、一生懸命親戚達に話し掛けていたのだが、全く相手にされず諦めざるをえなくなった。




まだ幼い美羽にはなぜそんなことになってしまったのかも分からなければ、甘える対象も得られず、一人孤独な毎日となってしまった。