「熱計れ」


「はい」



さっき起きた後、お風呂は良くないと言われたため、濡れたタオルで体を拭き自分のパジャマに着替えた美羽。



そして、晴太が作ってくれたというお粥をもらい、薬を飲んだ。




─────ピピピッ!



「37.6℃です」


「お、下がったな。・・・お前平熱何度だ?」


「36℃です」


「じゃぁ、この調子でいけば、明日には治るだろ。だけど、学校は明日も休みだからな。ぶり返したら困るから」


「はい・・・・・」



朝からずっと傍で見てくれる晴太を見て、意外に世話好きだと言うことがわかった。



表情はあまり変えないが、言葉の端々から美羽を心配していることは十分伝わる。




両親と姉を亡くして以来、体調を崩してもおじ夫婦は無視。


心配などしてくれなかった。


お手伝いさん達が看病してくれただけだった。



そのせいか、こんなに心配して世話を焼いてくれる存在は久しぶりで、美羽は戸惑うばかり。




嬉しいが、素直に喜べない。



意地と今までの気持ちが邪魔をして素直になれないのだ。