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「ありがとうございましたー!」



放課後、美羽はバイトに来ていた。



丁度、学校と家の中間辺りにある本屋さんでバイトをしている。



主にレジを担当している。





《ここ一週間で美羽の笑った顔がやわらかくなってきたもんね!》


《─・・・美羽にそんな表情をさせている誰かがいるな?》



誰か・・・・・・・。



美羽の頭には一人人物が思い浮かんだ。



ヴヴヴヴヴ・・・・



「うわっ!?け、携帯・・・か」



開いてみると、丁度頭に浮かんでいた人物からだった。


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┃          ┃
    Receiving
    晴太さん
┃          ┃
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あの日から、二人は少しずつ距離が縮まり、アドレスと電話番号も交換したのだ。



もちろん言い出したのは晴太だが。



《・・・何かあってからじゃ遅いし、その・・・同じ家に住んでんだし、連絡先ぐらい教え合っといた方がいいだろう?》



頭をガシガシ掻きながら伝える晴太は、端から見れば“好きな子に連絡先を聞き出す高校生”とも見えるが。



美羽がそんな風に思うハズもなく。しかし、いつもの探るような瞳を見せず、素直に頷いた美羽も、少しずつではあるが、晴太に近づいていることがわかった。