この男は、自分の妻が11歳も年下で、その上親が決めた相手でも平気なのだろうか?


それとも、形だけの結婚をし、外に他に女を作る気なのか・・・



だが、それならその方がいいとも思った。



この男と愛し愛される関係になんて、到底なれないだろうと考えていたからだ。



自分で見つけたわけでもなく、あのおじ夫婦に言われた相手。



何より、この結婚に何の疑問も抱かない男の考えが理解できなかったのだ。




「確かに不安もあるだろうが、今までどおりに暮らしてくれればいい」


“あぁ、そうだ・・・”と晴太は思い出したように呟いた。



「3日後から俺の家で暮らすことになってるから、引っ越しの準備しといて。3日あれば足りるだろう?業者にも頼んだから」



はっ!!?



「え?・・・どうしてですか?結婚だって決まってるだけでまだ」


「あぁ。でも結局はいずれ結婚して一緒になるんだから、いいだろう?親だって俺達が仲良くしてると思わせた方がおとなしいしな」



だからって今日初めて知り合った男性と暮らすなんてあり得ない。



しかしもう取り敢えず、言う通りにしようと思い、“わかりました”と言って、その場はおさまった。




「それじゃ、3日後迎えに来るから」



晴太はそう言って出ていった。