あのおじ夫婦に言ったってわかってもらえない。


だったら今が断れるチャンスだ。



美羽は直談判に出た。



突然の言葉に、当の本人は驚いた。



だが、すぐに厳しい顔つきへ変わった。



「それは出来ない」


「・・・なぜですか?」


「聞かされているかは知らないが、俺達の結婚は既に決まっている」



やっぱり・・・


自分の予想があたり、つくづく自分は“女の感”だけは鋭いようだと、失笑したくなった。



「見合いはただの建前だ。・・・反対の理由は?」



あたしには、やらなければならないある“計画”がある。



しかし、どうあがいても無駄な様だと、美羽は判断した。



それなら、この男と結婚した後に計画を実行すればいいだけのこと。


こんなことで、あたしの計画は崩れない。




美羽は、自分のため計画のために方向転換を決意した。



まさか、自分の結婚がこんなにも早く訪れるとは思いもしなかった。




「反対というわけではありませんが、まだ私は10代ですから、誰かと結婚なんて考えたこともなくて、不安だったんです」



そう、微笑んで美羽は言った。