籠のなかの花嫁

「俺、こんな幸せでいいのかな」



ポツリと呟く晴太に美羽は笑いながら、背に手を回す。



「ずっと一緒にいてくれるなら、もっと幸せにします」


「それなら、手を出して」



抱き締めた腕をほどき、晴太の前に両手を出した美羽。



「今晩、渡そうと思ってた」



そう言ってズボンのポケットから取り出した小さなケース。




「晴太さん・・・・・・」


「ずっと一緒にいてくれるんだろ?」


「はい・・・・・・・」


「俺も美羽とずっと一緒にいたい。何があっても離したくない。歳の差はどうしようもねぇけど、美羽と暮らし始めた時から、この日を待ち望んでた」



美羽の細い指にダイヤモンドが美しく輝く指輪がはめられた。


美羽は、涙が溢れそうになり、もう話せなかった。



「愛してるよ美羽。誰よりも。俺と家族になろう」




その言葉を聞いて、美羽は晴太の胸に飛び込んだ。