籠のなかの花嫁

せっかく色々計画してたのに、全部パァだよ。



美羽が頭を抱えると、晴太はずっと疑問に思っていたらしいことを聞いてきた。




「なぁ、その大切な日って今日は何の日なんだ?」


「晴太さん、本当に何も覚えてないんですね」


「え?」


「とりあえずそれは、ご飯の後にしましょう。ご馳走作る時間はありませんのでそれは明日で。今夜はありあわせで作ります」




納得はしていないようだが、頷く晴太を見てから美羽は準備に取り掛かった。





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「お待ち遠さまです。食べましょう?」


「あぁ」



ダイニングに向かおうとする晴太を、お盆を持った美羽が止めた。



「今日はリビングで食べましょう?」


「・・・ふー、一体何を企んでいるんだか」



いつもと違う美羽の行動に呆れてきたようにため息をこぼしながらも従う晴太。



美羽の持つお盆をさりげなく取り上げリビングに引き返した。




そんな後ろ姿を、晴太に聞こえないように笑いながら見ているのだった。