だが、美羽が好かれるのはなにも同級生だけではない。



下級生からも癒し系お姉さんで通り、人気だ。



もう何度も告白も受けているが、今まで一度も女子関係でもめ事を起こしたこともない。



それは、クラスメイトや他のクラスの人達も、美羽が男子に気がないことをよく知っているからだ。



いつも女友達といる上に、“女友達といた方が楽しいから”といつも言っているからだ。



何度告白されても天狗にならなければ自慢をするわけでもなく、いつも女友達と仲良さそうに話している。



そんな姿を見聞きしていれば、女子の間では美羽はいい印象でいられる。



下級生の女子からも、憧れの眼差しを向けられる存在となった。




美羽としては、男子に好かれるよりも、女子に好かれているほうが学校も過ごしやすいし、楽しい。



本当はもう少し目立たなく生活していたかったのだが、美羽の容姿がそうもさせてくれなかった。



全く贅沢な悩みではあるが・・・。




「いつもあたしのことばかり言ってるけど、梨奈は彼氏作らないの?」


「へ?」


「彼氏」



ケーキを口に運ぶ途中でケーキを落としてしまった梨奈。