籠のなかの花嫁

その後、友達に呼び出された由良を見送り、二人でガールズトークが始まった。




「ホントに美羽って好きな人いないの?」


「いないよ」


「視野を先生に広げても?」



笑いながら言う梨奈に美羽も可笑しくて笑ってしまった。



「20も30も違う人たちを恋愛対象として見ろって言う方が変」


「だって美羽のタイプわかんないしさ〜・・・」


「さっき言ったじゃん」


「アレ本当なの?」


「え?」



食べていたケーキを置いて梨奈を見ると、梨奈も美羽を見ていた。



「その場しのぎの答えに聞こえたんだけど?」




女の感てホントにあるのかな?



美羽は思った。




「本当は特にないんだけど、日向くんに結構食い下がられそうだったからありがちなのをね」


「やっぱりね。アイツ本当に美羽のこと好きだよね。まぁ、本気かどうかわかんないから相手にしないほうがいいよ」


「うん」





2年生で同じクラスになり、今年から異様に絡んでくるようになった。


はっきり言って、美羽も由良は苦手なのだが、あぁいうタイプは拒否すればするほど燃えるはず。




嫌なタイプに好かれちゃったなぁ。