美羽ももう高校3年生。



それがどういう意味かもすぐに理解した。



理解したが



「でも、お前はまだ学生だ。手を出すわけにはいかないし・・・その前に、お前の気持ちも、まだはっきり」

「バカッ!!」




美羽は晴太の言葉を遮り、そのまま自室に行ってしまったのだ。




「お、おい待てよ!」


「うるさい!!」




何よ。何よ何よ!!


そんなことであたしはあんなに悩んでたわけ?


あたしの悩んだ時間を返せ!!




ガラッ



「っ?!」


「おい!俺だってな、こんなこと言うつもりなかったんだからな。お前とは婚約してるが、気持ちが伴うまでは言わないつもりだった。お前を・・・戸惑わせたくなかったし」



突然部屋に入ってきたと思えば、大声で怒鳴る。

最後の方はしぼんでしまったが。



晴太なりの精一杯の伝え方なのだ。



それが分かったからこそ、美羽ももう逃げようとは思わなかった。




あなたが素直になってくれたんなら、今度はあたしの番。







「キスまでなら、いいんじゃないですか?気持ちが伴ったんだから」