悲しくて、淋しくて、おば様やおじ様に怒ったこともたくさんあった。



『どうしてあたしを見てくれないの?!』



でもそれを聞いてくれることはなかった。



いつも背を向けられ、無視される。



どんなに騒いでも、あたしを気にすることもなかった。



だから、いつからかあたしは何かあっても怒ることも泣くこともしなくなった。



無駄に感情を剥き出しても、意味がない。



疲れるだけだと思うようになった。




「・・・・・・・・・・・・・・」




美羽は静かに目を覚ました。




昨晩の晴太とのやり取りで、昔の嫌な記憶が甦ったらしい。



もう、今では涙なんて出ない。



ようやく好きになった晴太の突然の変貌に、動揺し悲しかった。



晴太だけは大丈夫だと、信じたかった美羽は、もうどうしていいか分からなかった。




一つため息を吐くと起き上がった。




まだ早い時間。



晴太も起きていないだろう。



美羽は急いで支度をして家を出た。