籠のなかの花嫁

放課後、梨奈との約束どおり、美羽は今ケーキバイキングにいる。



しかし



「うまっ!!」



呼んでもいない人間が一人。



「何でアンタがいるのよ!!?」



梨奈が心底嫌な顔をする。



美羽はそんな美羽をなだめてから由良を見ると



「そりゃ、中宮とこうやって話せる機会なんて滅多にないだろ?だから来たんだよ」




うわぁ・・・何て強気発言。


そんな言い方したら、もう“好きです”って言ってるようなもんじゃないのかな?



と感心する美羽。



現にそうされているのは、自分なんだが、呆れるほど他人事だ。



まぁ、それも仕方ない。



美羽の視野に、由良は入っていないのだから。




だが、思い込みが激しいのか自惚れ屋なのか、由良はそんな美羽にお構いなしに近づいてくる。




「中宮はさ、どんな奴がタイプなんだよ?」


「タイプ・・・・・」



今までそんなこと、考えたこともなかったなぁ・・・



少し考えた挙げ句、こう答えた。




「タイプは特に決まってないけど、安心できて楽しい人がいいかな?」