「なっ!見合い相手っ?!」



お弁当を手から落としそうにしながら驚いているのは、MICHELEファンの一人でもあり、また、美羽の友人である梨奈だ。



「ちょっ!声が大きい!!」



屋上で周りに人がいないにしても気にしてしまうほど梨奈の声は凄まじく大きかった。



「それぐらいビックリしたの!周りに男の影が全く見えなかったわけじゃないけど、まさか見合いをしてたなんて・・・」



確かに、答えの予想を遥かに上回っただろうね。



心の中で、苦笑いするしかなかった。





“話は学校で聞かせてもらうから”


と、昨日の例の事の後に言い残し帰った梨奈に、見てのとおり只今事情聴取されているのだ。




「てことは、学校休んだ時に電話をした若い男も彼なの?」


「そう。熱を出したってことが分かったら、わざわざ家まで来てくれたの」


「そうだったんだぁ。でも見合いって、美羽は賛成の上でのことだったの?」




・・・・・・・・・・・・・・・。



美羽は、一瞬無表情になった。



だが



「当たり前!性格だけじゃなくて顔も結構イケてたしょ?だから写真見て、ちょっと興味持っちゃってさ」



と、有りもしない嘘を並べた。