籠のなかの花嫁

それでも入ってこようとする不粋な奴もいるわけで・・・。



「何の話だよ?」


「由良。美羽が彼氏作らないかなって話し」



日向 由良。

同じクラスで、美羽に気があるらしい。



「彼氏?相応しい奴がいるだろう?」



次の言葉は問うまでもないが、梨奈は呆れた顔で聞いた。



「一体どこにそんな素敵な方が?」


「フフン それはもちろん」


「ねぇ今日はバイトない日でしょ?ケーキバイキングにでも行ってお喋りしない?」


「おいっ!聞いておいて、最後まで聞きやがれ!!」


「あ・・・うん、今日ならいいよ」


「中宮も無視すんな!!」




一人置いていかれた由良に二人は笑った。


















そんな穏やかな日々で、あたしの心ももとに戻らないのかな?


もう少し、後になったら癒えているだろうか?


あんなことでくよくよしてたんだなって、平気な顔して言えてる?


それで、その隣ではあたしのことを大事にしてくれる人がいてくれてるかな?





いつか・・・・



いつか、そんな普通の恋をして幸せな日々を送れる日が来るかな?







美羽は窓から青空を見上げて思うのだった。