そして帰宅後───・・・



晩ご飯の後、食器洗いをしながら美羽は悩んでいた。



晴太は書斎に行き、仕事をしているようだ。



結局、ご飯の時は言えなかったし・・・



《晴太さん》

《なんだ?》

《あの・・・・・・・》

《ん?》

《・・・・・ご飯美味しい?》

《あ、あぁ。美味いよ》

《そう、良かった》



「はぁ・・・・・」



ご飯中の会話を思い出せばため息しか出てこない。




だって、何て説明すればいいわけ?



遊び人の男があたしに好意を抱いていて、それを諦めさせるために、あたしの好きな人として明日ついてきて下さい。



って・・・勝手すぎる。



晴太さんはあたしのこと好きだって言ってくれたけど、あたしはその返事だって満足に出来てない。



なのに、あたしの好きな人として来て下さい、なんて言えない。




どうしていいか分からず、美羽が肩を落としていると



「水、出しっぱだぞ」


「えっ?あ・・・」



いつの間にか隣には晴太がいた。



泡のついた手で蛇口のとってをひねる。