「んじゃ、俺先行ってるぞ」


「はい、いってらっしゃい」



朝食を食べながら、会社に行く晴太を見送る。



もうすっかり板に付いた光景だ。



時刻は7:50。



あたしも急がなきゃ!



お皿に残っているトーストを口に押し込み、美羽は食器をシンクにさげた。



朝食は毎日順番に作り、他の家事もほぼ美羽が担当しているが、休日は晴太が積極的に手伝っている。



食器を洗い、火の元を注意し、窓の鍵も確認する。



元は晴太の家だが、今では美羽の方が、家の中の状況には詳しかった。



美羽が来たことで、買う物も増えどこに何があるのかも美羽の方がよくわかっているのだ。



一見すれば恋人、はたまた夫婦に見えなくもない。



しかし何度も言うが、二人は未だにそういう関係にはなっていない。



友人とは言えないので、知り合い以上恋人未満ということにしておこう。



これも何度も言うが、本当に奇妙な、異様な同棲生活だ。





「よし!あたしも行こう」




いつものように、家の鍵を締め、自転車に跨がり、学校を目指した。