だがそんな美羽とは裏腹に、晴太は言った。



「俺のせいで友達のプレゼント選べなくなったんだろ?だから、その、この中から選んでその子に渡せ」



は?



今の晴太の言葉で、美羽は完全に固まってしまった。



晴太は恥ずかしいのか、顔を赤くして俯いたままだ。



この人って、ちょっと?いやかなり?変わってるよね。



「結構です。プレゼントは後で改めて選びに行きます」


「え?」



驚く晴太に美羽はため息をこらえ説明した。



「あたしの友達は、あたしから初めてプレゼントをもらった時に言ってました」



“美羽が選でくれたものなら何でも嬉しいよ”



あたしは、梨奈のその言葉がすごく嬉しかった。


梨奈には、あたしの家のことも、あたし自身のことも何も話せていない。


その上、梨奈のことも心から信用できていない。


いつかは、あたしから離れていくかもしれない。裏切るかもしれない。


今でも、そう思ってる。


でも梨奈は、そんなあたしのことを、求めてくれてる。


だからあたしも、梨奈のことは、大切にしなきゃっていつも思ってる。




「あたしが選んだものじゃなきゃ、梨奈は嬉しくないと思うんです。だって、あたしもそうだから・・・」