(えーと一階の改札出て右、壁際の丸い柱の陰にあるベンチって言うてたっけ) マリアに教えられた待ち合わせの場所にはもう悟が座っていた。 「よ」 努めて明るく声を掛け、藍は彼の隣に腰を下ろした。 一瞬息を飲んだ悟の視線が痛い。 「マリアちょっと遅れるねんて。それまで映画でも観よっか?」 悟がスッと立ち上がる。 「帰るわ、俺」