日曜日――― 電車に揺られて、藍はエレクトーン教室に通う。 空いたシートに腰を下ろし、窓の外を流れて行く街並みを眺めていると、不意にバッグの中で携帯が鳴った。 「藍? 今どこ?」 携帯の向こうで、マリアの切羽詰まった声がした。 「もうすぐ難波やけど、どしたん?」 「ゴメン、助けて欲しい。悟と1時に待ち合わせてたんやけど急にバイト入ってな、連絡してるんやけど悟の携帯繋がらんねん」 電話口のマリアはいつになく慌てていた。