「あーあー、簡単やなぁ、悟は」 部活へ向かう悟の背中に嬉しそうに手を振るマリアを見ながら、ユキが思わず溜め息をついた。 「てかタチ悪過ぎやろ、マリア」 藍も半ばキレ気味に言う。 「何がよ?」 ご機嫌なマリアに恐いものはない。 「観たい映画に誘われたとか、もちろん嘘やんな?」 「え? へへ…? 鋭いな」 「もぉ! 悟は不安でいっぱいやねんで」 「わかってるって」 「わかってないやん。悟は本気やで、いい加減なことしたら可哀想やんか」 「それはウチかてわかってます」